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チェロ弾きの言い分

練習のこと,演奏のこと,楽しさのこと,いろいろなことを書いています

言い分その3 弓の練習3 03/11/24

ようやく手首のはなしです.掲示板でもちょっと書きましたけれども,弓の練習をするときによく(?)言われることに「手首をやわらかく」というのがあります. ただ,手首をやわらかくというのはふにゃふにゃにしておきなさいということではなくて,手の甲を一定の方向に向けておきなさい,ということ.つまり,「手の甲を固定するために,手首を柔軟にしておく」ということなのです.

例によって渾身のGIFアニメで再現してみました.ちょっとわかりづらいかな.手の甲の動き 下の3本の線は平行です.実際は真横をむいているわけではなくて,自分からみて左上を向くような形になるかと思います. 動きはチェロのものを想定して設定してありますが,Violin,Violaでも,手の甲を同じ方向に向けておくというのは同じはず(Contrabassはちょっとわからないので省略します).
前回の腕の動かし方で説明した「正しい動き」ですが,実はあの弓の動きを実行しようとすると,必然的に手の甲の向きが今回のようになるはずなんです. 弓を持って,手首を動かさずに空振りしてみると(スイングしたらだめですよ),腕の動きが正しくても,弓が上を向いたり下を向いたりしてしまうのが確認できると思います.


最後に,3回分の内容をまとめてみます.弓をスムーズに動かすためには,腕と手首が役割をしっかり果たしていなければなりません.役割はどちらも,「弓がぶれないようにする,挙動を安定させる」,です.そのためのポイントは,次の3つ

  • 1.必要以上に二の腕を動かさないこと
  • 2.ひじから先の動きをおろそかにしないこと
  • 3.手の甲は一定の方向に固定しておくこと

これらのことを実行するのに,必要であれば次のようなこともしてみましょう

  • 4.お手本を探したり
  • 5.見てくれる人を探したり

という感じでしょうか.音を出す基本になる,そして弦楽器を弾く以上は永遠に付きまとうとても大事なことなので,たくさん練習してくださいね.

最後の最後になりますが,今度こそ本当に渾身のGIFアニメでお別れしたいと思います.参考にしていただければ幸いですが,真に受けすぎちゃだめですよ. 懇親のGIFアニメ


え,今回のもだめですか.

言い分その2 弓の練習2 03/11/19

さて,今度は弓の動きについてもう少し詳しく.

前回,「弓の動きに気をつけよう」ということを書きましたが,二の腕の動きが重要になってきます.まず,動き出す前のかたちをみてみましょう.背景は気にしないこと. よいかたちよいかたち よくないかたちよくないかたち よいかたちはひじが体から離れています.よくないかたちはひじが体にくっついています.この状態でひじから先を動かしてみるとわかりますが,よくないかたちでは,はっきりいってほとんどうごかせません.みるからに窮屈そうな動きになります.


かたちのチェックができたら,次に動かし方です.どう動いていたらだめなのか,どう動いているのがよいのかを渾身のGIFアニメで再現してみました. よいうごき よくないうごき ・・・がんばったんですけどね.


えーと,見ていただければわかると思いますが,ボゥイングの動きは基本的にひじから先の動きです.余計な二の腕の動きはスムーズなボゥイングを妨げてしまうので特に気をつけたいところ.
よくない動きでは,前回みたよう弓が上下運動してしまっていますね.もう少し焦点を絞って説明すると,二の腕だけでボゥイングをするからこうなるのです. ひじから先がまったく参加していないと,特に弓先・元まで動かそうとするときに,どうしてもこうなってしまいます.これでは音色のコントロールはできません(この動きを直すために,写真で見た「よくないかたち」をわざとやらせる先生がいますが,それはあくまで矯正のための非常手段なので,いわれたことがある人は気をつけましょう. 正しい動きとしてそれを教える人がいるとしたら,その人は先生ではありません.断言します).

よい動きでは弓がしっかりと平行に動いています.二の腕も当然動きには参加してきますが,よくない動きほど大きくは絶対に動かないし,弓もぶれません.ここではわかりやすくするために誇張して表現してあります.

なんだかまた長くなったので,手首の使い方についてはまた次回.

言い分その1 03/11/09/(sun)

前に弓について書きましたけれども,そのときは弓を選ぶときのことについてでした.今回は,弦楽器をこれから始める,あるいは始めたての方を対象に,私の体験を踏まえつつ ボゥイングの練習について書いてみようと思います.よろしければお付き合いください.体験が経験に昇華できればよいのですが.

弦楽器の場合,音を出すためのもっとも重要な手段がボゥイングになります.激しさ,穏やかさ,強さ,弱さなどなど,音にもいろいろと表情がありますが そういった使い分けをうまくやるためにも,ボゥイングの練習は必須です.

順を追って説明していきますね.

その1 長い音符で練習する
はじめたばかりだと弓を制御するのに苦労すると思います.短い音符だとそれがモロに影響するのでまともな音を出すこと自体が困難です.長い音符だと弓の動き・持ち手・音の3つに気をつける余裕がでてくるので,最初は長い音符で音を出す練習をしたほうがよいと思います.できれば開放弦で.

その2 動きに気を使う
これは弓の動きですね.音を出そうと一生懸命になるあまり,弓がぶれてしまっている人を見かけます.弓がぶれるというのは,弓の先が上下運動をしているということを指しています.
ただしいうごき
よくないうごき1
よくないうごき2
この3つはどれも正面から見た場合の,コマにたいして弓がどう動いているかをあらわしたものです.下のふたつはたいてい一緒に現れる動きです.一緒になるとこう見えます.
一緒になったよくないうごき
このような動きになっている場合,手首が以下のような形で固まっていないか, ふにゃふにゃしていないか確認してください. それから,たぶん二の腕も一緒に動いていると思います.どちらかというとそちらの影響が大きいです.
よくない手の形1
よくない手の形2
二の腕が活躍するのは,主に移弦するときです.ひじの位置で弦を変えるわけです.弓がぶれると音が均一になりません.均一にだせないということは 変化がつけられなくなるということ.自分の弓の動きには気をつけましょう.気をつけすぎるということはありません.

その3 お手本を探す
その1で「まともな音」と書きましたが,「どのくらいのレベルがまともな音なのか」というのがわかっていたほうが練習するのにも張り合いがあります.これは技術ではなくてモチベーションの問題ですね. 近くに経験者がいればその人に弾いてもらうとか,習っている先生に聞いてもらうとか, あとは好きなCDを参考にするとかでもかまいません.指の動きや移弦を交えた動きは難しいかもしれませんが,たとえ初心者であっても,単音であれば 上級者と同じレベルの音を出すことは可能です.ながくなりすぎたので,今回はこんなところで.